成功する職務経歴書の書き方

職務経歴書は、あなたのキャリアを志望する企業の採用担当者に理解してもらうために書くものである。そこで、何よりも重要なのは、まず担当者に「会ってみたい」と思わせるように書く、ということだ。担当者を引きつけるような、魅力的な書類にする必要がある。

ではどうやって書いたらいいのだろうか?

参考:職務経歴書の書き方・フォーマット

魅力的な職務経歴書に必要な条件とは

職務経歴書の作成には、十介な時間をもって取り組むようにしたい。内容を検討し、あなたのセールスポイントをふんだんに盛り込んだ内容にしなければ、悔いを残す結果になってしまう。

書式が自由で、なるべく詳しく書くことを求められていることが、職務経歴書の特徴であることは、繰り返し述べてきた。しかし、書式が「自由」であるからといって、勝手気ままに書き進められるというものではない。自由であることは、どういう書き方をするのが一番よいかをじっくり吟味することが求められているということなのだ。

そして、なるべく詳しくということであれば、職務経歴書を書くに当たって、自分の職歴や実績、適性などについて、もう一度深く見つめ直すことが必要になってくる。

では、魅力的な職務経歴書とは、具体的にどういうものなのだろうか。
まず大切なのは、書類を一目見たときの外見である。「外見がよくなくても、中身がよければ、それなりに評価されるはず」という考え方もあるかもしれないが、それは甘い。採用担当者は何十通、何百通という応募書類に目を通すのだ。書式がぐちゃぐちゃの経歴書よりは、すっきりしたレイアウトのほうに目がいくのは当然である。

あなたが担当者だったと仮定してほしい。同じキャリアの応募者で、職務経歴書がきちんとまとまっている人と、そうでない人のどちらかを採用するとしたらどうするだろうか。答えは歴然としている。

外見のよい職務経歴書とは、以下のような条件を兼ね備えているものを指す。

  • ①読みやすい(分かりやすい)
  • ②印字が美しい (字がていねいに書かれている)
  • ③誤字や訂正がない
  • ④紙が汚れたり、折れたりしていない
  • ⑤構成にバランスと統一感がある
  • ⑥レイアウト(文字の配列)が整っている
  • ⑦用紙の大きさが適切である
  • ⑧上質な紙を使っている

外見的にこれらの条件をクリアできていれば、担当者はあなたの職務経歴書をじっくり読んでみようという気になるだろう。

用紙のサイズは、企業側の管理の都合も考慮して、A4判か、B5判にすること。

重要な書類なのだから、用紙の紙質もケチらず思いきってよいものを使おう。

採用担当者に「採用したい」と思わせるには

外見のよさをクリアできれば、いよいよ内容である。職務経歴書の外見がよければ、選考の第一関門はとりあえず通過できる。大切なのはここから先である。企業の採用担当者に「採用したい」と思わせるには、職務経歴書にそれなりの内容が盛り込まれていることが不可欠である。

何度も述べてきたように、職務経歴書には決まった書式はない。したがって、自分の職歴や職務内容、実績などを自由に選んで、簡潔、明瞭な表現で自由に書いていけばよいということになる。この作業で大切なのは、自分のキャリアの中から書くべきこととして何を選ぶかだ。ここで思い出してほしいのが、採用担当者の立場に立って考えるということである。企業では、あなたのキャリアのどういう点について知りたがっているのか、よく考えて、それが先方に効果的に伝わるように工夫して書いていけばいい。

企業が知りたいポイントからずれては効果半減

逆にいえば、一見多くの内容がそろっているかに見える職務経歴書であっても、「企業の知りたいポイント」からずれてしまっていては効果が半減してしまうということだ。

職務経歴書を「書く」ということのウエートは、この「何を書くか」、「どう書くか」という内容の絞り込み方、膨らませ方が大半を占めているといっても過言ではない。

転職を成功に導く職務経歴書は、内容面で以下のような条件が必要である。

  • ①長所だけを前向きな表現で書く
  • ②希望職種を明記しておく
  • ③資格要件を満たしていることを書く
  • ④希望職種という尺度で職歴を点検し、具体的な実績を書く
  • ⑤希望職種に対する自分の適性を書く
  • ⑥職歴中の職名には適宜説明を加える
  • ⑦自分の個性を分かりやすく表現する

①は、職務経歴書を書いていく上での根幹をなす考え方である。キャリアの中で人と違いがアピールしにくい点には目をつぶっても構わない。まして、マイナスの要素などは書く必要はないのが、職務経歴書なのである。人より優れていると思われることだけに絞って、重点的に書いていこう。

希望職種ははっきり書け

②は、あなたの転職に対する姿勢を表すために重要になってくる。企業にとって.中途採用は、即戦力となる専門的技能を持った人材を得るために行うものである。

そこで、応募する側にも明確な目的意識が必要となってくるのだ。目的意識を明確に伝えるには、まず希望職種をはっきり書くことである。希望職種がはっきりしていないと、担当者を困惑させる原因になる。

企業が求人広告で募集する職種を明記していたり、すでに履歴書に希望職種を記入している場合でも、職務経歴書にはあらためて書くことだ。希望職種に対する適性と熱意を訴えることもできるし、担当者の煩雑さが避けられるからである。

③は、キャリアを見てもらう以前の基本的な条件となる。ここをクリアしていることを明確にしておけば、担当者も安心して経歴を読んでいくことができる。

④は、いずれも担当者の判断に直接働きかける内容である。あなた自身を売り込むつもりで担当者に訴えてみよう。

企業に対してあなたが今後どう貢献していけるかを、アピールするのが⑤である。

⑥は、意外と見落としがちな点である。ある企業の中では常識であることも、別の企業では通用しないことは往々にしてある。それは、部署名や職名などのごく基本的なことにもあてはまる場合があるのだ。「こんなことはいちいち書かなくても」といった考え方は危険である。せっかくの自分の職歴が担当者に意味不明ではもったいない。職名について説明しておけば、親切な印象を与えることもできる。

⑦は、職務経歴書全体に関連するテーマである。自分という人間を知ってもらうのが職務経歴書の目的の一つではあるが、単なる「自慢話」に終わってしまうケースもときどき見られる。自分を客観的に正確にとらえることができるかどうかで、あなたの 分析力や表現力が試されているともいえる。

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